建設の現場は、日々の工事だけでなく、人材、見積、採用、情報の整理など「細かい作業」が積み重なって成り立っています。
BRANUは、建設業界の中でももっとも分散した中小企業領域にITサービスを届ける企業です。日々の“地味だけれど欠かせない部分”をまとめてデジタル化し、企業に毎日積み重なる小さな改善を提供しています。
利益を生み出す“仕組み”
BRANUの収益の中心は、建設中小企業向けの統合型SaaS「CAREECON Plus」です。
重要なのは、一度導入すると辞めにくい構造になっている点です。
具体的には:
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顧客獲得・採用・施工管理・経営管理をひとつの道具に集約
→ バラバラの管理がなくなるので、途中だけ別のツールに変えると逆に手間が増える -
オウンドメディア構築とSaaSが連動するため、継続利用しやすい
→ Web集客・採用の導線そのものが「CAREECON Plus」に依存 -
カスタマーサクセスによる“伴走支援”が前提
→ IT人材が不足する建設企業にとって、支援込みで初めて使いこなせる
これは「仕組みを使い始めるほど元に戻しづらくなる家計簿アプリ」に近い構造です。
SaaSの継続率の源泉がプロダクト単体ではなく“使い続けやすさ”にあるのが特徴です。
業績を支えるファクトデータ
(出典:Iの部・訂正届出書・会社概要)
■ ストック型契約 2,742社(2025年7月末時点)
=「毎月の固定収入の母集団」がすでに大きい。
■ CAREECON登録ユーザー 4,785ユーザー
=マッチング経由で顧客接点が生まれ続け、営業源泉になる。
■ CAREECON月間PV:230,418PV
=施工事例・案件投稿が多く、利用動線が習慣化している可能性。
■ Standardプランが2023/9開始→以降順調に増加
=単価の高い本命プランへの移行が起きており、導入価値が定着しつつある。
■ 建設業特化の人材サービス「キャリコンジョブ」ローンチ
=SaaSの利用動線から採用サービスへの連携が可能で、クロスセル余地あり。
因果関係
BRANUが“入り口を押さえやすい”理由は 建設業という産業構造そのもの にあります。
外部要因
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中小建設企業は全国に約48万社と分散
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IT人材が不足しており、ツール導入の自走が難しい
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既存ツールは機能単体型が多く、業務横断の動線が分断
- 元請・下請構造により情報共有コストが高いため、デジタル化のメリットが大きい
内部構造
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自社CMS・採用・施工・経営管理をまとめた「All in One型」
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カスタマーサクセスの伴走により、“使わざるを得ない習慣”を企業に根づかせる
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既に2,700社超の利用データが蓄積 → 機械学習的な改善がしやすい
結果として「導入した企業は、辞める理由より続ける理由の方が多い」という構造が生まれている
これがストック型収益の安定性の源泉です。
競合構造(同業×代替)
■同業構造
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「単機能型SaaS」
例:施工管理だけ/採用だけ
→ 部分最適。BRANUは全工程を一体化しているので“のりしろ効果”が高い -
「プラットフォーム非連動型」
→ Web集客(オウンドメディア)とSaaSが切り離れている
■代替(BRANUを使わない選択肢)
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内製化(自前でWeb制作+表計算管理)
→ IT人材が少ない企業には現実的に維持困難 -
汎用ツールの寄せ集め(表計算+ストレージ+SNS)
→ 情報が点在し、施工現場〜採用〜見積管理の連動ができない
■条件別の優位性
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業務を一本化したい企業 → BRANUが残りやすい構造
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既に高度な社内IT体制がある企業 → 汎用ツールで代替可能
IPO需給構造(浮動株・ロックアップ・株主構成)
■ 公募・売出
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公募:500,000株
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売出:630,000株(すべて代表・名富氏)
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OA:169,500株
合計:1,299,500株
■ 発行済株式
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上場時:4,500,000株
■ 浮動株比率(需給の軽さを示す)
(公開株数 1,299,500 ÷ 上場時株数 4,500,000)
= 約28.9%
→ 3割弱が市場に放出される設計。
■ 大株主(CG報告書より)
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名富達也:53.5%
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株式会社名富:45.0%
合計:98.5%が実質オーナー支配
= 極めて不動株が厚い構造
■ ロックアップ
(訂正有価証券届出書の該当ページより)
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主要株主(名富氏・株式会社名富)に対し 上場後180日 のロックアップ
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VC不在
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解除条項:公開価格の1.5倍等の特別条項 記載なし
■ 需給の意味
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不動株が厚く、ロックアップ対象がほぼ全株主=短期の売り圧力は限定的
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一方、公募+売出が3割弱 → 初期流動性は十分にあるがやや軽め
=初期は値動きが振れやすく、解除イベント(180日後)で売却可能性が一段階生まれる構造。
仮条件レンジから見るPER
- 仮条件:930〜980円
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EPS(2024/10期):16.37円
■ PER
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仮条件下限:930 ÷ 16.37 ≒ 56.8倍
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仮条件上限:980 ÷ 16.37 ≒ 59.8倍
同業SaaSの平均(20〜40倍)より明確に高い。
= 「成長ストーリーに対してプレミアムを要求する価格帯」 と読める。
■ 吸収金額
(公募500k+売出630k+OA169.5k) × 仮条件上限980円
= 約12.74億円
■ 公開時時価総額
4.5M株 × 980円
= 約44.1億円
■ 市場吸収率
12.74億 ÷ 44.1億 ≒ 28.9%
= 上場時としてはやや大きめの吸収率。
■ 主幹事スタンス
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想定930円に対して上限980円(+5.4%)
= 強気ではなく中立寄り
(直近IPOの地合いを踏まえて“攻めすぎない”設定)
EPSから見たPER帯別の株価
(公開価格未定のため構造だけ整理)
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計算式:株価=EPS × PER帯
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PER帯:20倍/30倍/40倍/60倍
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EPS:16.37円
例)
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30倍 → 491円
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60倍 → 982円
※これは「予想」ではなく、
“この企業がどの成長率・どの評価帯にいると市場が見なすか”によって到達し得る領域 を示す計算値です。
企業の重要指標
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CAREECON Plusの契約社数(Standard/mini)
→ SaaSのストック収益の源泉 -
継続率(解約率)
→ ストック収益の「天井」を決める -
GMV(CAREECON受発注総額)
→ マッチングの活性度、媒体価値の指標 -
営業人員数・営業生産性
→ 顧客数拡大ペースを左右 -
ロックアップ解除イベント(上場+180日)
→ 需給変化が生じるタイミング -
AI機能の実装進捗
→ All-in-One Slerの差別化要因
関連用語集
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ストック型収益:継続課金で積み上がる収入
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フロー収益:一度きりの売上
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GMV:取引総額
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アップセル:下位プランから上位プランに誘導すること



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